竹林整備伐採

竹は根元から切りましょう。

竹林伐採
竹林伐採

竹林の整備や伐採をやっていると、いろんな方の整備のお手伝いや、やり方を見させていただくこともあります。しかし、ほとんどの方が竹の伐採をやったことがない上、竹林の管理をやろうという意欲がないため結局竹林の管理という意味では上手くいっていないケースが多いです。

 

竹林管理の一丁目一番地は、「根元から切る」ことだと思います。

「何故根元から切るのか? 」

1.搬出道を確保するため
2.再度竹林に入る時にケガをしないため

であります。

特に1については、切ったところがそのまま搬出の道として利用できることが大きいです。切る時は、その時は切ることに頭がいっぱいで、1年後にその竹林がどのような様子になっているかを考えることが意外とできないです。


切りやすさからだいたい30センチくらいで切る人が多いのですが、それでは1年後来たときに同じ苦労を二度することになってしまいます。

腰高一メートルくらいのところで切って、水を抜いて根を枯らす。というような方法も紹介されていますが、私はあまりお勧めしていません。1年後にきた時には、腰高1メートルの竹が邪魔になってしゃがむこともできない上、細い竹や雑木が下から生えてきて、歩くことすらままならない状況になっていることもあります。

 

去年伐採した竹の仕事と同じ仕事を、今度はさらに困難な状況になって行うことになり、仕事量は1.5倍くらいになります。根元の土や笹をどけて、できるだけ深いところにノコを入れて、そのまま切る。

 

少し作業量は増えますが長期的に見ればこれが一番よい方法だと思います。

 

文責:三宅クイックガーデニング
三宅達治

 

スリングの使い方

「竹の搬出が大変だ」というと、 軽トラで出せばいいのでは? とか 林内作業車を入れれば? とか 粉砕機を林内まで入れてそこで粉砕してしまえば? というような意見が多い。


土木関係の方にいうと大体そんなことをいいます。

 

ただ竹林整備で本当に大変なのは、林道まであとたったの10メートルの搬出であります。

孟宗竹の場合はそれだけでも30キロや40キロ近い重さになることもあるし、マダケ、ハチクでも10キロ程度にはなります。

一本一本搬出すればいいのでしょうが、 限りある労力・人員の中で10メートルの移動がままならないことが多い。

また竹の表面はよく滑るので、手で握ろうとしてもすぐ滑ってしまって落としてしまうこともあります。効率を考えれば、やはり何本かまとめて効率よく作業したいものです。

こういう時は、スリングを準備して複数の竹をまとめて、持ち上げず引きずるのがよい。

林内には、「竹挽きノコ」と「スリング」をあわせて持ち込みましょう。竹を切っていくとどんどん積み重なって、それだけでも折り重なって出すのが難しくなってしまいますので、多くても10本程度切ったら スリングを取りだして、搬出するとよいでしょう。

 

文責:三宅クイックガーデニング
三宅達治

 

竹林整備は境界側から進めるのがよい

一度でも放棄された竹林の目の前に立ったことのある人ならそのすさまじい生命力に圧倒されることでしょう。

竹林を健全な状態(人と自然が共生できるレベル)までもっていくのに、いったいどこから手をつけていいのか途方にくれることも少なくないハズです。私有林であれば補助対象にもならなければ、かといってだれが協力してくれるわけでもない(すなわち一人または数名の家族労働による)作業になるでしょう。
友人を筍堀りに誘いたいところであるが、荒廃した竹林であれば友達を招き入れることも危険であるためできないでしょう。

問題として進むことも、退くこともできなければ、そのまま様子見となるのでしょうが、時間がたてば解決する問題でもなく、むしろ状況は悪化します。

であれば、一歩でも前に進めてせめて子々孫々に恥のない形で承継したいものですよね。


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こんな時第一歩はどこから切り始めるのがよいのか?

真正面(すなわちあなたの土地の側)から伐採に取り組むと、作業量の全体像が見えず途中で頓挫する可能性が高い。 できることなら隣地の地主さんと話あいをして隣地の境界を確認した後で、隣地境界の側から境界線にそって伐採を進めていくことをお勧めしたい。

当然その土地毎の条件は各々ことなりますからすべてが当てはまるとは思いませんが、労力的なもの以上に、心理的な作業効率があがる可能性が高い。

メリットは
1.自分の所有する土地の竹林が「理屈」ではなく「体感」として理解できる。すなわち、今後の伐採や管理計画が立てやすくなります。
2.隣地の方との話合いをもち、隣地との境界上から伐採を進めることにより、竹伐採は個人の問題ではなく地域や集落の全体の課題という認識を醸成しやすい。

むかしやさい研究会でも、もしこのことが分かっていたら2年ほど時間を短縮し現在の位置まで仕事を進めることができたのではないかと思います。

全国の荒廃した私有竹林を所有者、竹林伐採に携わる方の参考になればと思います。

 

文責:三宅クイックガーデニング
三宅達治

 

竹林整備は長期計画で

管理された竹林は2-3aで十分です。

竹林の整備伐採を行うにあたり、いったい残すとすればどのくらい残せばいいだろうか?と質問を受けることがあります。

諸条件あるでしょうが、 筍を食したり、たまに竹をとって資材にしたり、するのであれば2-3aもあればお釣りがきます。

竹炭で生計を立てたり、竹チップで畑に1ha全面施肥をするのであればそうもいかないでしょうが、そういった方はあまり多くはないでしょう。

ということはあなたの目の前にある竹林は、たいがい皆伐してしまって差し支えないでしょう。

皆伐してしまったあとも地下茎はずっと生きていますので、3年くらいは毎年筍が生えてきます。ずいぶん貧弱になっていきますがそれでも適当に対処しないと元の黙阿弥です。こんな時は、必ず穂先を刈取って、先に草枯らし(除草剤)の原液をたらしておきましょう。垂らす量は原液であれば2-3ccでよいのではないでしょうか? これを毎年しつこく続けていくことです。

日が当たるようになった竹林には新しい植物が芽生えてくるでしょう。最初はなかなか一年草は生えませんが、低木が少しづつ背を高くなってきたころには、竹の勢いもずいぶんよわまります。 それでも気を抜かずに毎年続けていますと、5-6年目くらいにだいたいすべてなくなってしまいます。

差し込んだ光の力で新しい生態系が生まれてきます。 昨日申し上げましたとおり、正面からいくのではなく裏面から、 すなわち隣地との境界側から中に向かって取り組むのがよいのではないかと思います。

2-3a残す竹林は1㎡あたり2-3本にすきこんで(古いものから大半は伐採)あえて筍は取らず、若竹に育てます。 これを2-3年繰り返していますと、だんだん竹の自給が可能になるのであります。


文責:三宅ヴィレッジガーデニング
三宅

 

香川県の方は竹林整備伐採の受託を行っています(こちらから)。